別館 ハタハタとカンコ

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どうすれば戦争をせずに済むか考えた。

 道徳とか、愛とか友情とか、そんな綺麗事を説いても、人類は絶滅しそうな現状ですら戦争をする。人を殺していく。

政治と宗教もダメだ。戦争はいけませんって言ってて、平気で何度もする。

いくら考えても、戦争をなくす方法なんて、わからなかった。だから、とても賢い、でも嫌悪していたが故にそれまでロクに口をきいた事もなかった少女に答えを求めた。

(え? 戦争を止めるにはどうすればいいって? そんなの無理に決まってるじゃん)

 少女のあっけらかんとした言葉に、泣き虫だった幼少の俺は泣く寸前だったろう。

(ちょ、ちょっと待ってよ、睨む事ないだろう。えーとね、ウン、普通の人には無理だけどボクなら大丈夫。ボクは何て言ったってスゴイ天才だから)

 愛と友情云々、という話は最初からそもそも聞いていなかった。自分が話を聞いていないという事に気付くと、道徳を子どもの頃から授業で行う事で倫理観を養うという内容を話しはじめたが、学校でずっと前からやっている、という自分の一言で終わった。政治と宗教なんてお金と神様のために人を殺して最悪だ、と吐き捨てるように言うと、少女は口をパクパク動かすだけで、後に続く言葉がしばらく出てこなかった。

 どんな問題にも常に淀みなく回答を連ねる少女が、この時は顔に焦りを浮かべていた、という事実に気付いたのは俺が中学校に差し掛かった辺りか。

 そして、少女は、武器を作るのはどうだろう、と聞いてきた。

(武器を作ってどうするのかって? ただの武器じゃない、圧倒的に強い武器さ。それこそ『こんな強い武器を持っているんじゃ勝てない』って敵が諦めてしまうくらいスゴイ武器)

 人を傷つける、武器が、人を殺す、武器が、嫌いだった。

 少女の父親は良い人だけど、武器を作るが故に、この少女は大嫌いだった。

(そう、人を殺さずに済む、戦争をブッ壊す為の武器さ)

 そんなスゴイものが作れるのなら。戦争は、起こらないかもしれない。

(ボクが人を殺さずに済む武器を作る。だからキミは、どんな武器からも人を守る防具を作ってよ。最高の武器に最高の防具。これが出来たら、戦争なんて起こらない)

 幼い自分は、震えているだけだった。泣いているだけだった。

 もう、そんなのは嫌だった。

「お〜い、聞いてるか? 自分の武器ジッと見つめてどした?」ジャクソンが、眼前で手を振っていた。これ何本かわかるか、と右手の指を三本立てている。

 三本だろう、大丈夫だ、と告げると彼に背中を向け、呟く。

「気付いたら、あそこにいた。理由なんて、ない」

 問いには答えたが、ジャクソンは訳がわからないだろう。

 それはそうだ。俺だって、さっぱり訳がわからないんだから……アスカ。

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