別館 ハタハタとカンコ

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イクステリア1-5

攻勢

「……そろそろ終わりにしようか」

 大気中に溶け込んだ『アンジール』が、手にしたブレイン・ウエポン―細身の刀身と飾り気のない形状、熱量操作による氷の攻撃から判断して、量産型の『アイス・ブランド?』か―を媒体とし、男の声に応える。

 宙を舞う雪を核として氷が瞬時に形成され、ナイフのように研ぎ澄まされた冷たい弾丸が射出される。

 それに応じて、腰から陰陽を引き抜くと身を隠していた木から飛び出す。

「なっ!」

 両手に持つ『陰陽』を起点とし、スーツに電流が流れ、磁場に包まれる。スーツによって保護された身体が、電磁加速を開始。一足で接敵。その速度は文字通り音に迫るもの。

咄嗟に繰り出された敵手の剣閃を、電磁加速によって小型戦車砲並みの威力をもたされた斬撃で弾き飛ばす。ブレイン・ウエポンを持つ相手の右腕が完全に跳ね上がり、がら空きになった鳩尾に蹴りを叩き込む。くの字に曲がったその身体のこめかみを、陰の柄で殴りつけた。

 膝を屈した敵の喉元に、白い吐息を弾ませつつ、陽の刃を突きつける。

実力が上の相手に対しては、勝てる条件を整えなければならない。

 この相手は、熱量操作を得手とするイクステリア。ならば、近・中・遠距離と、どのレンジでもそれなりの戦闘が可能だろう。

 だが電磁加速能力の中で、遠隔戦の能力がまったく使えず、戦闘経験も浅い自分では、距離を取られたら、その時点で勝機が限りなく薄くなってしまう。

だからこそ、死にそうな目にあいながらも自身『脳覚』が何であるかを、いや、そもそも『脳覚』が扱える事を隠し続け、電磁加速による一瞬の不意打ちにかけた。

「……俺の勝ちだ、降伏してくれ」

 さもなくば、という言葉の代わりに、突きつけた陽の柄を威嚇的に鳴らす。

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